成長を支えた
構造改革と人材戦略
鈴与シンワート株式会社
2025年 4月25日
生藤社長 TTピーエム株式会社(以下、TTPM)はこの7月1日で40周年を迎えます。これを機に東芝デジタルソリューションズ株式会社(以下、TDSL)の月野様にお話をお伺いできればと思います。
月野様 40周年おめでとうございます。TTPMには常々さまざまな面で支援をいただいています。
生藤社長 特に業務管理サービスについてお聞きしたいと思い、業務管理サービス部長の田口も同席させていただきます。
田口 本日は進行役も務めさせていただきます。よろしくお願いします。では早速ですが、TDSLの事業状況、トピックスをご紹介ください。
月野様 TDSLは東芝グループのデジタルソリューション事業領域を担当する事業会社として、前身の東芝ソリューション株式会社を経て2017年の7月に発足しました。コロナ禍で厳しい期間もありましたが、24年度はグループとして過去最高益を上げることができました。
生藤社長 それは素晴らしいですね。
月野様 コロナ禍からの復活ということもありますが、昨今、お客様は生成AI、IoT技術等を使って事業のデジタル化、効率化を目指す動きが加速していることも追い風となって、事業環境としては活況を呈しています。現在TDSLグループは2つの事業部門と4つの関係会社で構成されています。まずICTソリューション事業部では官公庁、流通・金融、社会インフラの3領域と、量子暗号通信やブロックチェーン、気象データ、生成AIなどの新規事業を手掛けており、連結子会社として東芝ITサービスと東芝デジタルエンジニアリングを擁しています。一方、スマートマニュファクチャリング事業部では製造業、電力会社を中心にビジネスを展開し、傘下に東芝情報システム、イー・ビー・ソリューションズがあります。どちらの事業部門も開発効率化、製品にAIを組み込むなどの動きを加速させ、お客様事業のDX化に貢献するシステムインテグレーションおよびデジタルソリューションの提供により成長を続けています。
生藤社長 大変わかりやすい説明、ありがとうございます。
田口 では続いて、当社の業務管理サービスについて、御社内ではどのような評価をいただいているのか、社員の皆様からはどのような感想があるのか、忌憚のないお話をお聞かせください。
月野様 TTPMにお願いしている業務管理は、私が現場にいた時から基本的な流れは変わっていないと思いますが、その中身が変わりつつあります。かつては手書きの書類がメインでしたが、今はPDFなど電子化されたドキュメントでフローを流していくようになっています。昨今、内部統制の強化などが厳格化し、会計ルールも一定頻度で変化しています。もちろん法務部門、経理部門からのルール変更通知を受け、企画部が各事業部門に落とし込んで、前線の一人ひとりがすべてを認識しているというのが理想です。しかし制度改変に加え、ビジネス自体も複雑化しています。前線の人たちがビジネス推進に時間も手間も要している状況で、内部統制の知識などを含めて、すべてを頭に入れて対応するのは困難です。その中で、TTPMが必要なエビデンスをきちんとチェックし、内部統制の不備を招かないように正しい手順で処理していただいているのは非常に助かっています。それによって前線がコア業務、つまり自身のソリューションを磨いたり、提案内容をブラッシュアップしたりすることに集中できますから。
田口 ありがとうございます。続いて、サービス提供やサポートの体制に関して、ご意見、ご要望がありましたらお聞かせください。
月野様 TTPM設立の経緯から考えても、元々は東芝グループにいらした方々に業務にあたっていただいているということで、非常に安心感を持っています。逆に我々の若いメンバーに手順を教えていただくようなケースもあると思っており、そこに関しては非常に満足しています。一方で、我々のビジネスのやり方も、従来のようにプロダクトを販売して終わりだとか、システム開発後に検収を上げ、売り上げを立てて終わりという形だけではなく、リカーリングモデルやサービス提供のような形が加わり、業務処理の方法も複雑になりました。それに合わせた新しいやり方や取り組みが必要になっています。そうした部分にも伴走していただくような体制を取っていただけると非常に助かります。
田口 ありがとうございます。新しい統制をはじめ、そうした部分は積極的に取り組んでいきたいと考えていますし、業務効率化もお手伝いできる領域と思います。
生藤社長 クラウド系の従量課金など、新しい販売手法などについても、柔軟に対応させていただきますので、引き続きよろしくお願いします。
田口 それを踏まえて、当社サービスにご期待されることがありましたら、ぜひご教示ください。
月野様 業管の処理は、一部RPAによる自動化も進んでいますが、まだ手作業が多く残っており、自動化が進んでいくべきと思っています。例えばTDSLには生成AIの活用プロジェクトとして、AIによる社内業務の効率化というプロジェクトがあります。その成果を共有して業務に取り込む形ができれば、TTPMとしてもより少ない人数でさらなる業務処理の向上が実現できるかもしれません。我々としても、人間の確認でやっていたところが自動処理によってミスが減る可能性も期待できます。今はTDSLの仕事をしていただいていますが、そうした改善が東芝グループ各社へと拡大する助けになるのではと思います。
生藤社長 今後、こうしたバックオフィス系の仕事を、TDSLグループ各社、東芝グループ各社に広げるチャンス、可能性はあるでしょうか。
月野様 十分可能性はあると思います。24年度に東芝グループは人員の適正化施策を進め、スタッフ部門の人数を減らしており、業務処理の効率化、負荷軽減が必要だと思います。また、前線の事業部門も固定費削減目標を設定して各社が取り組んでいます。少ない人数で最大の効率化をめざしたバックオフィス業務をやっていくニーズは今後増えていくでしょう。
生藤社長 固定費からBPO等の活用で変動費化するということですね。
月野様 はい。そうしたニーズに対して、これまで一緒にやっていただいた知見を横展開していけば、かなりのチャンスがあるはずです。やはり東芝グループで一緒に業務をしていた方々にサポートいただくのは、非常に優位性があると思います。
生藤社長 多岐にわたる貴重なご意見、本当にありがとうございます。今後もさまざまな改善を進め、より良いサービスを提供していきます。